18 消費税の記帳のしかた
基準期間(前々年)の課税売上高が1,000 万円を超える方は、消費税の課税事業者となり、確定申告が必要となります。
消費税額を正しく計算するためには、日常の取引を記帳するときに、その取引が課税取引なのか非課税取引なのか、あるいは不課税取引(課税対象外取引)なのかを区分して記録しておく必要があります。
(1)一般課税の場合
実際の記帳の際には、帳簿の摘要欄などに(課)・(非)・(不)または○・X・△などと記入するような工夫をされるとよいでしょう。
土地の貸付や住宅の貸付(貸付期間が1 ヶ月以上のもの)は、非課税取引です。
住宅の貸付であれば、礼金や共益費も非課税取引です。
店舗や事務所等の貸付については、礼金や共益費も課税取引となります。
賃貸借契約終了時に返還することになる保証金や敷金は、不課税取引となりますので、ご注意ください。
(2)簡易課税の場合
簡易課税とは、その課税期間における課税標準額に対する消費税額を基にして、仕入控除税額を計算する制度です。
具体的には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額に、事業区分に応じたみなし仕入率を乗じて計算した金額が仕入控除税額とされます。
したがって、実際の課税仕入等に係る消費税額を計算する必要はなく、課税売上高のみから納付する消費税額を算出することができます。
2種類以上の事業を営む事業者は、売上等の取引がどの事業区分に該当するかを記帳しておく必要があります。
業種 | 事業 区分 |
みなし仕入れ率 | 該当する業種 |
---|---|---|---|
卸売業 | 第一種 事業 |
90% |
たとえば酒類販売業では、飲食店などへの販売は卸売業となり、一般消費者への販売は小売業となります。 |
小売業 | 第二種 事業 |
80% |
|
製造業 | 第三種 事業 |
70% |
農林漁業、建設業、製造業、製造小売業などです。 たとえばパン製造販売業などが含まれます。 |
その他の 事業 |
第四種 事業 |
60% |
飲食店、金融保険業などです。 |
サービス業 | 第五種 事業 |
50% |
不動産貸付業などです。 |